

トランス状態という言葉だけを聞けば、何だか心を自由自在に操られたりするなどの怖いイメージを抱かれるかもしれません。
しかし、実際のトランス状態はそんなに非現実的なものではありません。
日常生活で言えば、例えば『リラックスして何かに意識が集中し、外部の物音や刺激に気持ちを乱されないような状態』にいる時などが『トランス』状態であり、どんな方でも一日の間に何度も出たり入ったりしている、とても自然な領域のことを言います。
よって、リラックスしている感覚はあっても、『催眠にかかっている』という感覚はまったくありません。
映画やテレビを一生懸命に集中して見ているとき、無意識的に高速道路を運転しているとき、なども実はトランス状態なのです。
つまり、トランス状態はわたし達の生活の中に溢れており、映画などをみて感動的な体験ができるのも、実はトランスという状態があるおかげなのです。
そして、意図的にトランス状態に誘導して、潜在意識に何かを働きかけたり、あるいは、引き出したりするのが催眠療法なのです。
前世療法で体験するトランスですが、例えば自宅のベットに横たわったリラックスした状態で、その日に起こったことや、過去の思い出の世界に没頭しているような状態とよく似た状態です。
このような状態ですから、気を失っている訳でもなく、自白剤を飲まされたようなボーっとしている状態でもありません。
ほとんど覚醒している自然な意識状態ですし、すべてのコントロールはあなたにあります。
この様な状態において、あなたが見るイメージを、あなた一人だけではなく、セラピストと共有しながら一緒に見ていき深めて行きます。
『潜在意識』には想像を絶する膨大な記憶や情報が保存されているといわれています。
潜在意識状態と聞けば、なんだかとても遠いところに存在する状態だど感じられ、人によっては恐ろしいイメージを持たれるかもしれませんが、実はそう現実離れした意識状態ではございません。
言葉にして簡単に説明すれば、
『潜在意識とは、私たちの意識の一部なのですが、普段は意識していない意識』
のことを言います。
例えば、
”たった今、”あなたの足の裏が、床に触れている感覚”を意識してください。
如何ですが?
わたしが指示するまでこの感覚を意識していましたか?
しかしこの感覚は、ずっと以前からそこにありました。
わたしが指摘するまで、あなたはこの感覚を意識していませんでしたが、
今、それを意識することができました。
簡単に説明すれば、これが潜在意識を意識するということなのです。
催眠とは、意図的にあなたを潜在意識につなげるテクニックのことです。
それは、1000%ありえません。
催眠状態では暗示に対して敏感にはなりますが、不快な命令を受ければ、即座に皆様の意識は通常の意識レベルに戻されてしまいます。
いつでも即座に自分の意志で起き上がることができますし、やりたくないことに対しては、いつでも『No』といえるのが、催眠トランス状態です。
反対に、見ているイメージ体験が心地よく、もっと入って行きたい、もっと、感じ取ってみたいと思えば、もっと深く深く入っていけるわけです。
つまり、『すべての催眠は、自己催眠』であり、暗示を受け入れるか入れないかの全ての選択はクライアントにあります。
あなたをどれだけ素直にさせることができ、イメージの中に、どれだけ深く没頭させるお手伝いができるか、そして、どれだけ的確な指示が出せるか。
これが、セラピストの上手い下手という事なのです。
よって、いくら一流の催眠療法士であっても、指を”パチン”と鳴らしただけで相手を思うままに動かしたり秘密をしゃべらせたりするようなことは、フィクション映画や小説にのみ存在する話であって、現実にはありえません。